渡来人によってもたらされた竈(かまど)は、旧石器時代以来使われていた炉(ろ)と比較して煮炊きに効率よく、調理様式に「台所革命」とも評される劇的な変化を与えました。このように人工物(道具、構築物)からの恩恵にも神様を感じ、人格化・神格化により信仰の対象になリました。
また、「台所の神様」の荒神様(こうじんさま)(あらがみさま)は、神道・仏教・民間信仰が混ざり合った(習合)信仰で総評して「竈(かまど)信仰」と言います。
日本神話(神道)では火産霊(ほむすび)、奥津日子神(オキツヒコ神)、奥津比売神(オキツヒメ神)を竈三柱大神として「台所の神様」祀りしています。火産霊は別名「迦具土神(カグツチ神)」と呼ばれ自然崇拝(民間信仰)からの「火のカミ」で、他の2柱は大年神(オオトシ神)の子で、竈神とされています。
仏教では「三宝荒神」として、仏・法・僧の三宝を守護する役割を持ち、修験道の影響も受けています。
【三宝】:三宝(さんぼう、さんぽう)とは、仏教における「仏・法・僧」(ぶっぽうそう)」と呼ばれる3つの宝物を指し、仏陀(釈迦)と法(ダルマ)と僧伽(そうぎゃ、さんが)のこと。この三宝に帰依し、その上で授戒することで正式に仏教徒とされる。
「竈(かまど)信仰」による神様に「厠神(かわや神)」=「トイレの神様」がいます。
定住生活による生活様式の変化で、排泄物を共同で処理する施設として厠(かわや)=トイレが出現します。厠神の烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)は汚れを浄化する役割を持ち、特にトイレの清潔を守るとされています。また、「トイレをきれいにすると美人になる」という言い伝えは、中国の紫姑神(しこしん)の伝説によるもので、紫姑神(しこしん)も厠神として崇敬されてきました。
メモ
「トイレにはそれはそれはキレイな女神様がいるんやで」「だから毎日キレイにしたら女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで」は、植村花菜の「トイレの神様」のフレーズ
メモ
近代においける生活様式を大きく変えた「昭和の三種の神器」:昭和30年代(1950年代後半)に、白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫が三種の神器として広く認知され、豊かさや生活の便利さの象徴となりました。「竈(かまど)信仰」といえるかどうか疑問ですが。
