七面大明神(しちめんだいみょうじん)は、七面天女(しちめんてんにょ)とも呼ばれ日蓮宗系において法華経を守護するとされる女神です。
七面大明神の言い伝え:日蓮は、身延に隠棲し、身延山山頂に登り、亡き父母の墓のある房総の方を拝しては両親を偲んでいた。下山の道すがら、大きな石に座り信者方に説法をしていた。その時、一人の妙齢の美しい女性が熱心に聴聞していた。「このあたりでは見かけない方であるが、一体だれであろうか」と、一緒に供をしていた人達はいぶかしく思っていた。日蓮は、その若い女性に向かって、「皆が不思議に思っています。あなたの本当の姿を皆に見せてあげなさい」と言った。すると、女性は笑みを湛え「お水を少し賜りとう存じます」と答えると、日蓮は傍らにあった水差しの水を一滴、その婦人に落とした。すると婦人は、たちまち緋色の鮮やかな紅龍の姿に変じて、「私は七面山に住む七面大明神です。身延山の裏鬼門をおさえて、身延一帯を守っております。末法の時代に、法華経を修め広める方々を末代まで守護し、その苦しみを除き心の安らぎと満足を与えます」と仰り、七面山山頂の方へと天高く飛んで行った。その場に居合わせた人々は、この光景を目の当たりにし随喜の涙を流して感激した。日蓮は、「いつか七面山に登って七面大明神を祀ろう」と考えていたが、生きている間に叶わなかった。
日蓮入滅後16年目、弟子の日朗上人は、七面大明神を御祀りするため、初めて七面山へ登り大きな石の前で休息したところ、石の上に七面大明神が姿を現して日朗一行を迎えた。 日朗は、この大きな石を影嚮石(ようごうせき)と名付け、その前に祠を結んで七面大明神を御祀りし、「影嚮宮」(ようごうのみや)と名付けた。
